- 2020.09.04
- お知らせ
薬剤師の関わる特別の注意を必要とする成分を含む食品による健康被害情報収集に関して
薬剤師の皆様へ
地域保健・広報委員会
担当理事 小野寺大樹
食品衛生法
「特別の注意を必要とする成分を含む食品による健康被害情報収集制度の創設」について
令和元年12月25日保健所において「令和元年度いわき市保健医療審議会 第一回生活衛生対策部会」が開かれました。その際、健康被害情報の取り扱いについていわき市薬剤師会会員及び市民への周知の依頼がありましたので、以下の通りご報告いたします。会員の皆様には何卒ご協力の程、お願い申し上げます。
「特別の注意を必要とする成分を含む食品による健康被害情報収集制度の創設」
1.健康食品についてこれまで以下のような健康被害が発生
「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品には女性ホルモン様作用をもつ成分などが含まれるが、適切でない摂取目安量が設定されているなどにより健康被害が生じていた(5年間で223例。月経不順など)。
しかし、現行の食品衛生法では、健康食品による健康被害情報の収集が法的に制度化されていなかったため、法的な措置を講じるに足る必要十分な情報収集ができなかった。
*食品衛生法では①有害・有毒物質を含むことが自明の場合(第6条)、②食経験がない、あるいは通常の摂取方法と異なる方法で喫食させる場合(第7条)には、販売等を禁止することができることとなっているものの、これらの条文が適用できない場合がある。
*プエラリア・ミリフィカは、マメ科のクズと同属の多年生のつる植物で、タイ全土に広く分布している。塊根に強い女性ホルモン様作用のある成分が含まれている。「豊胸によい」「肌に良い」などの効果が期待できるとされていた。
2.そのため通常国会において、食品衛生法を改正。以下の制度を導入(2020年6月施行)
特別の注意を必要とする成分等(厚生労働大臣が指定。「指定成分等」)を含む食品について、
・食品事業者等は、健康被害があった場合には、その情報を都道府県等に届け出る(都道府県は届け出があった場合は厚生労働大臣に報告)。
・食品事業者等に、適切な製造管理・品質管理の順守を求める。
また改正に基づき下記の通り医療機関において消費者の健康被害情報を知り得た場合は、都道府県等の保健所へ情報提供する「努力義務」が発生します。その際は消費者である患者さんの同意を得て速やかに保健所生活衛生課食品衛生係への報告をお願いいたします。